東京でも木々が美しい秋色に染まり始めましたね。
先日、落ち葉を踏みしめながら歩いていたら、ふと、幼い頃に田舎で落ち葉を集めて焼き芋をしたことを思い出しました。
我ながら不思議なのですが、小さい頃や学生時代の思い出は、すっかり忘れてほとんど記憶にないのに、なぜか思い出すのは食べ物絡みのことばかり…。「食いしん坊」ぶりが隠せません(笑)。
そんな食への尽きない探求心をもって、今月のリネディも特別な一皿をご用意しました。
リヨンの魂、「プーレオヴィネーグル」を再解釈
今月の主役は、フランス・リヨン地方の伝統的な郷土料理、「プーレオヴィネーグル(鶏肉のビネガー煮込み)」です。
ビネガーの酸味で鶏を煮込む、素朴ながらも奥深いこの料理。
しかし、リネディではこの伝統的な料理を、あえて煮込まずにソースでその味を表現するという、一歩踏み込んだ挑戦をしています。
煮込むと全体に馴染んでしまうビネガーの風味を、ソースとして鶏肉の旨みに鮮やかに重ねることで、従来のイメージとは異なる味へと昇華させています。
ぜひ、この再解釈したリヨンの魂を味わってみてほしいです。
🍷 赤ワインとのペアリングに隠された、小さな発見
この「プーレオヴィネーグル」に合わせるペアリングワインを選ぶ際、実は面白い発見がありました。
当初、料理のソースだけで試飲をしてみたところ、ある赤ワインが「うーん、少しケンカしてしまうかな?」と感じたのです。
ところが、しっかり焼いた鶏肉と、その脂の旨みをソースと一緒に口に含んでワインを合わせてみると……どうでしょう!
先ほど合わなかったはずの赤ワインが、まるで魔法のようにバッチリと調和したのです。
改めて痛感したのは、赤ワインと「脂」の相性の良さです。赤ワインに含まれるタンニンが、肉の脂と絡み合うことで、味の要素が三位一体となり、互いの魅力を引き出し合う。これぞ、やはり赤ワインならではの奥深さだと、私自身も興奮してしまいました。
ぜひ、この驚きのペアリングも含めて、リネディのプーレオヴィネーグルを楽しんでいただきたいです。
皆様のご来店を心よりお待ちしております。
